岳洞 すすめどころの
ばあさまのことば。
やんごとないときほど
頭をさげんしゃい。
自分が悪い、悪うない関係なく、
ひとまずと頭をさげときゃ、
す~っと
物事、通り過ぎるけん。
通り過ぎてから、
ここぞと、いてこましたらよかと。
人間相手じゃろうと、おかげさん相手じゃろうと、
運命じゃろうと、
相手が他所、向いとるときに、
横っ面なり、横っ腹なり、脛を、肚据えてぶちかますんじゃ。
大抵の問題ごとはこれで解決じゃわ。
物事の真の好機は正面からブチ当たっている時ばかりでなく、
むしろほんの少しだけ引いた状態の時が一番の好機としてあるという教えでもあり、
その好機を逃さないだけでなく、さらに助走が付けられるので、
徹底して自分主導の人生を握りしめていくという気構えの教えでもありました。
そして、うまくいかない時や、争うことや対抗する時でさえも、
ひとまず呼吸を逃すことも必要で、自分自身の肚具合の確認や、感情の勢いの任せすぎずに、環境を調えることが可能になります。
「ぶちかます」は、物理攻撃のことばかりではなく、待つと姿勢だけではない努力や行動の力のことでもあり、
「引き寄せの法則」というのが、洞ではまさにこのことをいうのだろうな、と思っています。
ばあちゃんたちの中では、誰よりも温厚で怒ったところをほとんど見たことがないと言われているこのおやすめどころさんが、
洞の中でも一番怖い人だったのではないかと思っていたのは、私だけではなかったと思います。