先日、お世話になっている方のご紹介で東京都内のにある、職人さんの工房にお伺いをしました。
親子三代に渡る伝統技術を守っていらっしゃる工房です。
古き技術を継続していることは当然ながら、
新しい技術を取り入れて未来に向けて工房を繋ぐ仕事をされています。
頭首の仕事ぶりを拝見するだけでなく、
そこで働いている若手の方々の様子を拝見できたことも貴重な経験となりました。
通常、よくある起業は一代限りであることがほとんどです。
そしてこの代を重ねるにあたり、一人事業主で済む業態であれば技術継承・世襲のみを念頭に置けば代数重ねることは可能です。
ですが、一般企業として社会の中で経営と共に生き残るのであれば、これは至難の継続と言えます。
子に継がせても二代持つのもギリギリで、なんでしたら衰退しつつ小さく生き永らえるか、絶えるかがほとんどです。
三代に渡って栄えている、もしくは継続的に技術の基盤を残していくのは、なかなか奇跡に近いものがあります。
こちらの工房はまさに後者の経営と技術継承、継続を実行しています。
伝統技術系に限らずですがブルーカラーと言われる業態は通常、後継者不足で悩ましく、経営の様々な面で壁が立ちはだかっています。
ですが、こちらの工房では三代目頭首の人柄なのでしょう。
若く志願して入った人たちは簡単に辞めることはなく、頭首を慕い学ぶ姿勢があります。
外部から入ってきた見学者がいてもいなくても、その姿勢にブレは全く見受けられません。
これは働く環境が良いという証拠でもあるでしょう。
そしてその工房の壁には、先代、先々代が遺してる言葉がいくつか掲げられていました。
その中のひとつをご紹介しましょう。
人の長所は尊敬する。
自分の短所は反省する。
人を育てる姿勢に必要な経営者としての指針のひとつでしょう。
同時に、自らを自分の未来につなげていく姿勢にとても重要な考え方のひとつと言えるでしょう。
あらためてこの工房に、今の私のタイミングで伺えたことは大きな標となりました。
このチャンスをくださった仲介者の方には感謝しかありません。
ありがとうございました。