可哀相から始まる人間関係

可哀相から始まる人間関係

恋愛相談や結婚生活相談の中で、すべての問題の根っことなるご相談があります。
この根っこは、その後の生活や人生のこじれの始まりとも言えます。
クライアントは性別問わず、立場問わずで、根っこの内容は共通です。

“ 可哀相でほっとけない。
わたし(俺)がいないと
彼(彼女)が独りぼっちになる。
助けてあげたい。
自分が幸せにしたいんです!
自分にしか幸せにできる人はいないんです!”

“ 息子(娘)が連れてきた彼女(彼)が
可哀相な生い立ちで
気の毒でしかたありません。
ウチで良ければ
お嫁(婿)に迎えて(救って)あげたい!”

一見、美談に見えそうなこの関係。
けれど、本当にそうでしょうか。

可哀相から始まる人間関係は、
最初はとても仲良しな恋人同士(家族・夫婦)になります。
お互いに見つめ合うだけで成り立つような関係に見えます。
ですが、やがて可哀相だった人は、
助けてくれた人の力と保護のおかげで、みるみるうちに毛艶が良くなっていきます。
当然のように、本人は幸せの中に顔色もよくなり明るくなって、それに周囲が惹きつけられるように笑顔になっていき、その人も、周りの人も活気づいてきます。
そして運気も上がって、どこから見ても明らかに幸せな状態になっていくのです。

このあたりから、路は二手に分かれます。

一つは、ほぼほぼ少数派。
可哀相だった不遇の相手を幸せにできた自分、自分たちに満足し、
同時にその相手をもっと幸せにしたいと思う行動を選び続けます。
二人でもっと幸せになり、二人の未来を描いていきます。
その可哀相だった人は、より感謝を込めて愛情を返し、
家族みんなで仲良く幸せになっていくのです。

大多数となるもう一つの路は、
可哀相だった不遇の相手が幸せに輝きだすと、ある日突然、新しい不安を与えてはじめるのです。
もしくは、嫉妬の中で苦しみを与えるようになります。
押しつけがましく感謝を相手に求め続け、
そして、いかに可哀相な人は、可哀相な人のままであるのか、
そのままでいたほうが良いかを説得してくるのです。

好きな人をゲットしたいがために、

可哀相な自分を売りにするのもいいけれど、
そこだけで選ばれてしまった場合、
可哀相な人が可哀相なままでいることが、
相手にとっては優越感であったりするので
そのままで居ることが前提の関係性になります。
ある程度満たされたことで、
次の人生のステージに移行したくなったとしても、
わき腹を刺されか、足を引っ張られるようなこともあるかもしれません。
それ以上にもしかしたら、
引きずり落されることにもなるでしょう。
悲劇のヒロインで売り切ったら、
死ぬまで悲劇のヒロインで
買い取られておけ。
とうことです。

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