岳洞 きりんばあさまのことば
生きるっちゅうことは、
それだけで
すごかことよ。
たくさんの命をいただきながら
たくさんのお心いただきながら
たくさん、たくさん
胸の中に思いば詰め込んで
誰かのお役に立てたら
よかこと、すごかことよ。
去年から今年にかけて、命との別れを多く経験しております。
いずれの方もその人生のすべてが、その死にざまにありました。
常に人は生きているのが当たり前なのではなくて、いついかなる時にその灯が亡くなっても不思議はないのだと痛感しています。
誰かの心に残ることでしか、本当の意味で自分の生きた証を残せるものはないのです。
そしてそれもまた自分を記憶する人がいなくなると同時に消えゆくものです。
けれど、自分が作った心の何かは誰かを通して脈々と受け継がれていくのでしょう。
その受け継がれていくものが、少しでも穏やかで優しく、誰かの生きる力になれていたら、それはとてもありがたく喜ばしいことではないでしょうか。
大行なことができずとも、やらずとも、常に人は誰かと関わり合いながら生きて死んでいきます。
そこに少しでも和みをつなげられたら、これほどに素晴らしい人生はないのだと改めて感じ考えるのです。